牛久市が出資している3つの第三セクター(牛久シャトー株式会社、うしくグリーンファーム株式会社、牛久都市開発株式会社)について、今後の方向性に大きな決定がありました。
内容は少し複雑ですが、できるだけ分かりやすくまとめてお伝えします。

牛久シャトー株式会社について
牛久シャトー株式会社は、所有企業が事業から撤退したことを受けて、令和2年(2020年)1月に設立された会社です。
当初は、この会社が自ら利益を出し、地代や家賃をまかなうことを目指して運営されてきましたが、残念ながらその仕組みはうまくいかず、断念することとなりました。


これまでの仕組みでは、市がオエノンHDから年間5,544万円(税込)で建物を借り受け、それを同額で牛久シャトー株式会社に貸す形をとっていました。しかし、この方式では赤字が膨らむ一方でした。
そのため今後は、牛久市が地代・家賃を負担し、市が直接経営に関わる形に切り替えます。
牛久シャトー株式会社は、市の指定管理者として運営を担う予定です。
また、現在の契約では、日常的な修繕は市(実際の作業は同社)が担当し、建物の構造部分の維持管理はオエノンHDが負担する形になっています。
令和9年(2027年)4月からは、名称を「牛久市文化観光公園 牛久シャトー」とし、市民の憩いの場・文化と観光の中心として再スタートします。
うしくグリーンファーム株式会社について
うしくグリーンファーム株式会社は、新しく農業を始める人の育成や、増え続ける耕作放棄地の解消を目的として設立されました。
現在は「農産物の生産・加工・販売」「市からのペレット製造委託」「BDF(バイオディーゼル燃料)事業」を行っています。
しかし、
- 農産物の生産・加工・販売は今年度で終了し、来年度中に事業整理を行う予定
- ペレット製造事業は、機械の故障に伴う高額な修理費、海外製品との価格競争、需要の伸び悩みを理由にすでに停止
- 残る事業はBDFのみ
となっており、会社の運営が難しくなっています。そのため、会社の清算も視野に入れながら、今後の整理を進めていく方針です。

牛久都市開発株式会社について
牛久都市開発株式会社は、エスカード牛久の管理・運営を行っている会社です。
同社から、市に対して貸付金の「最終返済期限を延ばしたい」という申し出があり、市はこれを認めました。
理由は、エスカードビルの改修が遅れたことで、予定していた賃料収入が得られなかったためです。ただし近年は、経済活動が回復し、テナント出店が活発になってきています。
そのため同社は、令和11年度(2029年度)までに新たなテナントの誘致を進め、収入増を図ることで経営の安定を目指すとのことです。

小松崎 伸の見解
第三セクターには、民間企業のノウハウを活かしつつ公共の利益にも貢献できる、というメリットがあります。
一方で、経営がうまくいかなかった事業を引き継ぐケースも多く、必ずしも黒字化が容易ではないという課題もあります。
今回取り上げた3法人のうち、牛久シャトー株式会社とうしくグリーンファーム株式会社は、市の出資比率が99.9%と非常に高く、「民間の活力が十分に働いているか」という点には限界がありました。
牛久シャトーについては、かつて所有企業が撤退した背景はあるものの、長年にわたり牛久市のために建物を維持していただいていたことには感謝の思いがあります。
牛久のシンボルであるこの場所が、今後、市の文化と観光を支える施設として再生し、新しい形で民間の力も取り入れながら発展することを期待しています。
うしくグリーンファームについては、耕作放棄地解消という重要な目的で設立されましたが、農業従事者の高齢化や人手不足などの問題も重なり、存続が難しくなりました。今後は別の政策によってこの課題へ取り組んでいきます。
牛久都市開発株式会社は、民間出資が半数以上あり、民間の力を発揮しやすい体制の企業です。
エスカード牛久は駅周辺まちづくりの中心施設でもあるため、新しいテナント誘致を進め、中心市街地の活性化につなげられるよう、力を尽くしていきたいと考えています。
おわりに
牛久シャトーの問題は、今回の決定でようやく一つの区切りを迎えると考えています。
令和9年からは文化観光公園として新たな姿を見せてくれますので、市民にとってもより親しみやすい場所となることを願っています。
うしくグリーンファームについては、農業の課題が背景にあるため、今後も行政として別の形で対応を進めていく予定です。
エスカード牛久ビルは、牛久駅周辺のにぎわいづくりに欠かせない重要な施設です。
より多くの方が利用し市全体の活性化につながるよう、今後も取り組みを進めてまいります。


